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第三章 どんぐりコースにて コンシェルジェ・カウンターから、ようやくどんぐりコースの受付へ辿りつくと、病人で溢れている。しかし、松コースの小奇麗なマダムと違い、私と同じ金の無さそうな連中ばかりである。はがれたタイルの床に置かれた継ぎ接ぎだらけのベンチに座れる患者は幸運な方で、座れない連中は立っているか、床にへたり込んでいるかのどちらかである。 受付には人はいない。銀行にあるような受付機から番号札を取るように掲示があるだけである。「受付番号３６５」と番号札に書かれている。その時、「番号札２２８番！」と天井から声がした。番号だけのコールで「お入り下さい」の一言も無いのか？番号札を握りしめてヨロヨロと一人別室へ入った。良く考えてみれば、100人以上待つの？ 職員は顔も出さない。番号がアナウンスされたら別室に入れるようだ。さすがに、脂汗を流して床に転がっていると、風邪ひきらしい女性が見かねてソファーを譲ってくれた。 「有難うございます。久しぶりにこの病院来ましたがえらい変わりようですね、もう他所の病院へ行くか…」 「でも、近くには、病院も診療所も潰れたのでありませんよ」 「以前はこんな病院ではなかったのに。」 「今月からですよ、こんなになったのは」 「今月から？」 「ネットのブログや掲示板では、以前から話題になってるんですが、医療機関制限法って知りません？」 |