|
第二章 病院にコンシェルジェ？ 病院に着いた。タクシーから這うように受付へ行こうとするとガードマンに止められた。どの受付に行くかを先ずはコンシェルジェに聞けという。 「いらっしゃいませー、お客様。先ずは保険カードを提示下さい。」 この姿を見て、先に保険証だと！と怒りを覚えつつ、 「こっつ、これ…」 「紙切れ…もとい、健康保険証ではなく、保険会社のカードです。」 「そんなもん入ってないよ。健康保険で十分じゃないか！」 その瞬間、愛想笑いが消えた。 「では、どんぐりコースの受け付けへ」と冷たく言い渡される。 指差す先にはカウンターが並んでいる。コンシェルジェ・カウンターの一番近くには「松コース」とあり、床は絨毯敷きで小奇麗なマダムがソファーで受付嬢に傅かれて何やら答えている、 その向こうは「竹」、さらに遠くには「梅」のカウンターがあり、遥か彼方、霞んで見える遠くに人ごみが並んでいる。その人ごみがどんぐりコースの受付という。 まるで国際線の受付カウンターではないか。いったい、いつの間に…と驚いていると、後ろからガードマンが支えてくれて立ち上がらせてくれた。やっぱり、病院だよなと思っていると… |